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国民健康保険とは(わかりやすく図で解説)
2018年12月2日 2022年7月3日
国民健康保険についてわかりやすく説明していきます。
その前に、日本の保険事情について。
日本は「国民皆保険制度(こくみんかいほけん)」です。
簡単にいうと、「何らかの保険に必ず入らなければならない」ということです。
すべての国民が何らかの医療保険制度に加入する必要があります。
加入することで病気や怪我などの場合に適切な医療給付が受けられることができるのです。
また外国籍の方でも、日本での在留期間が3ヶ月を超える方は対象になります。
この保険(医療保険制度)に入ることで医療費の一部負担(自己負担)だけで、安く医療を受けることができます。
■目次
医療保険制度の種類日本にはいくつかの医療保険制度があります。
国民健康保険はその1つです。
所属や立場、年齢等によってどこの医療保険制度に加入するか変わってきます。
図で大まかに説明していきます。
※割合は厚生労働省データより
日本には大きく5つの保険制度があります。
国民健康保険
協会けんぽ
健保組合
共済組合
後期高齢者医療制度
◆国民健康保険
国民健康保険は主に自営業や農林業業者、会社を退職してどこにも勤めていない人など、会社の社会保険に加入していない人が対象です(扶養されている家族も含む)。現在は非正規労働者や年金生活者等の無職者が7割を占めています。(平均年齢51.9歳)
◆協会けんぽ、健保組合
協会けんぽと健保組合は、主に会社員に属している(社会保険に加入)方が対象者です。
またその扶養されている家族も含まれます。
◆共済組合
共済組合は、公務員の方(扶養されている家族も含む)が対象です。
◆後期高齢者医療
後期高齢者医療制度は75歳以上の人(64歳からの一定の障害がある人も含む)が対象です。
国民健康保険に加入する方は、会社の社会保険に加入していない方が主な対象者になります。
収入がない場合でも加入する必要があります。
保険制度に入る理由は治療費が高額だからです。
国民健康保険を含め医療制度に加入することで自己負担額を軽減できます。
以下が実際の負担額になります。
年齢や所得によって個人負担額は異なります。
高年齢者、低年齢者の自己負担額は低くなっています。
また高齢者でも収入が多い場合は、その他と同様の保険料になります。
自己負担について詳しく説明していきましょう。
ここでは3割負担の場合とします。
例えば病院での会計で保険証を提出し3,000円(3割負担の場合)支払ったとします。
ですが実際の医療費は10,000円(10割)だったということになります。
自己負担3割を引いた7,000円(7割)は医療保険から支払われます。
1割負担の場合は1,000円。2割負担の場合は2,000円ですむことになります。
何も手続き等せずに国民健康保険に加入していない場合(保険証が発行されていない)、自己負担額は10割です。上記の例では1万円全て自己負担となります。
国民健康保険の保険料はどのくらい国民健康保険は全国の各自治体(市区町村)ごとに運営されています。
そのため、各自治体によって保険料が異なるのが特徴です。
同じ所得であっても全国一律ではないのです。
財政が安定化している自治体は保険料が安く、そうでない自治体は高くなる傾向があります。
都道府県でもばらつきが大きく、年間10万円以上も保険料負担が重くなる場合もあります。
保険料は世帯ごとの加入者の数と年齢、その所得金額に応じて計算します。
・前年度の収入(所得)
・家族の人数、年齢
その計算方法はとても複雑で、さらに各自治体によっても変わってきます。
ここでは単身者と4人家族の例を紹介します。
国民健康保険料は主に以下3つの合算です。
合算したものが国民健康保険料として各自治体より請求されます。
医療分(実際に医療で使われるもの)
支援分(後期高齢者医療に使われるもの)
介護分(介護保険に使われるもの)
※介護分は40歳以上の方が対象です。
保険料の具体例ここではおおよその保険料を見ていきます。
例1)
【家族構成】
35歳独身 年収300万円(所得159万円)の場合
東京都新宿区在住の場合
国民健康保険料はおよそ175,000円(1ヶ月あたり14,500円)
大阪府大阪市在住の場合
国民健康保険料はおよそ242,000円(1ヶ月あたり20,200円)
例2)
【家族構成】
45歳(夫)年収500万円(所得合計315万円)の場合
45歳(妻)年収100万円
15歳(子)学生
13歳(子)学生
東京都新宿区在住の場合
国民健康保険料はおよそ504,000円(1ヶ月あたり42,000円)
大阪府大阪市在住の場合
国民健康保険料はおよそ600,000円(1ヶ月あたり50,000円)
上記例より、35歳単身の場合は年間20万円前後。
45歳4人家族の場合は年間50万~60万前後となります。
ここで見ていただきたいのは、所得が同じでも住む場所によってこれだけ差があるということです。
※単身者の場合、東京と大阪の差は年間67,000円
※4人家族の場合、東京と大阪の差は年間96,000円
正確な数値を知りたい場合は、「各市区町村名と国民健康保険料」で検索してください。
国民健康保険料の支払いについて国民健康保険料は前年度の所得によって決まり、6月に年間分(10回払い)の納付書が届きます。
(例)
2018年1月~12月までの所得によって計算。
2019年6月に納付書が届き、保険料を10回に分けて支払います。
2019年6月:1回目
2019年7月:2回目
・
・
・
2020年3月:10回目
※6月から翌3月にかけて支払うため(10回払い)、4月と5月の支払いはありません。
次はまた6月からの支払いになります。
国民健康保険は前年度の所得によって決まります。
前年度の所得が多ければ多いほど保険料が高くなります。
ですが、何かしらの理由があれば国民健康保険を安くする方法はあります。
国民健康保険の減免制度を利用する多くの自治体では減免制度があります。
これは所得が少なくなったり、無職になったり、災害にあったりした場合に保険料を減免する制度です。
理由によって7割、5割、2割など保険料を軽減できます。
もしこのような状況になった場合はお住まいの役所へ相談しましょう。
減免を受けるには各自治体の窓口で手続きする必要があります。
申請しなければ減免制度を利用することができません。
※会社の都合(リストラや倒産など)で退職した場合は多くの自治体で減免制度を利用することができます。ただし自己都合退職の場合は減免にならない場合が多いようです。
国民健康保険料が安い自治体に引っ越す国民健康保険料は自治体によって大きく金額が異なります。
もし転居する予定などがある場合は、一度調べた方が良いかもしれません。
年間で数万円安くすることも可能です。
高額療養費制度を利用する高額療養費制度とは、手術、入院などして、支払う治療費が高額になった場合に役立つものです。
ある一定の金額を超えた場合、その超えた分が払い戻される制度です。
詳しくは「高額療養費で医療費の負担を減らす 」の記事をご覧ください。
仮に月20万の治療費がかかったとしても、8万ほどで済ますことができます。
国民健康保険料は上限額が決まっている税金(所得税や住民税など)は、収入が増えれば増えるほど支払う金額は増えていきます。
国民健康保険料は違います。
国民健康保険料は上限額が決まっています。
どれだけ収入があったとしても、これ以上は支払わなくて良いという限度額です。
ちなみに例で出した新宿区の場合は上限額93万円。
大阪市の場合は上限額89万円。
※ともに2018年度の場合
このため、所得1000万円の人も1億円の人も保険料は変わらないということです。
国民健康保険に入らない場合日本では医療保険制度に必ず入らなければなりません。そのため本来「無保険」ということはありえません。
仮に手続きしていない場合でも、保険に入っていない期間(無保険期間)は後日請求されます。
もし手続き等していない場合は、自治体の窓口にて申請しましょう。
また保険証がない場合は、全額自己負担(10割負担)になってしまいます。
国民健康保険は医療保険制度のひとつです。
主に会社の社会保険に加入していない人が対象です。そして国民健康保険加入者の7割は非正規労働者や年金生活者等が占めています。
国民健康保険は医療保険に比べて割高ですし、各自治体によっても保険料が変わってきます。
同じ所得でも住む場所によっては年間10万円以上も差が出る場合もあります。
また国民健康保険は、会社員が加入している社会保険(協会けんぽ、健保組合)よりも保険料の負担割合が多いです。同じ所得でも会社員は2万円、自営業者は4万円ということもありえます。
それは会社が保険料を半分負担しているからなんです。
そのため退職後に国民健康保険料の高さに驚いている人が多いのが現実です。
実際にどれくらいの保険料になるのかを事前に計算してみることも必要かと思います。
※それぞれの計算方法(割合)については、各自治体のホームページに記載されています。
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