富山大学は、標高3,000メートルの立山連峰と水深1,000メートルの海湾を望む、緑豊かな富山平野の中央部に位置する。この高度差4,000メートルもの空間における「水の大循環」は、多様な生態系を育み、固有の文化と地域に根ざした様々な産業を育て、富山大学の発展と有為な人材の育成を支える基盤となっている。
富山大学は、この豊かな自然環境のもと、地域と世界の発展に寄与する基礎研究のみならず、東アジア地域をはじめ諸外国との交流を通じ、東洋と西洋の英知と科学の融合すなわち「知の東西融合」を目指し、フロンティア的学術活動に努めてきた。伝統的なくすり業の蓄積を基に世界の薬草を収集した民族薬物資料館は、こうした学術活動の成果の一端であり、東洋の知を求め続けた小泉八雲の蔵書「ヘルン文庫」は、「知の東西融合」を目指した象徴的存在である。