「茶番」がようやく終わった日
5月8日、疎開先のタイ・バンコクから3ヵ月ぶりに日本に帰ってきて仰天した。コロナ対策に関する空気感がガラリと変わっていたからだ。
「疎開」は大袈裟な表現ではなく、もはやマスクとワクチンを強要する“内戦状態”にあった日本にいるのがツラ過ぎて、その両方を強要しない場所に逃げたかったのだ。
それまで専門家たちは散々「5類になってもウイルスの性質は変わらない」と言い続け、政府分科会の尾身茂会長は「まだ普通の病気ではない」と、なんとしてもコロナを終わらせたくない様子だった。しかし、政府は彼らの意見をスルーし、5類化するとの公約を守った。
「ウイルスの性質は変わらない」は確かに正しいのだが、結局、「5類になったから人々の行動指標が変わった」だけであり、さらには「コロナに対する空気感が変わった」「メディアが飽きた」だけなのだ。
政府が「5月8日に感染症法上の2類相当から5類に変更する」と発表したとたん、この変化が起こったのである。そこで本稿では、「一体、この新型コロナウイルス騒動とは何だったのか」について分析してみたい。
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結論としては、断じて「ヤバい感染症が3年4ヵ月の間猛威を振るった」ではなく、「連日浴びる“カンセンタイサク”という名のヤバい非科学的な“教義”の猛威に3年4ヵ月も晒された」だったのである。
その陰で儲かる者が多数出たが、一方で、普通の国民の中には、仕事を失う者もいた。そして、旅行へ行ったり、運動会をしたり、施設に面会に行ったり、イベントで大声で応援したりと、当たり前だったはずの日常を失った。そのうえで、“カンセンタイサク教”の教義を信仰する者と信仰しない者との間で激しい争いが起きた。
そして、5月8日、その教義は「政府による活動停止要請」により急速に力を失い、洗脳から解けた信者たちは、かつての日常に戻ろうとリハビリ期間に入り、いまだ信じる者だけがカルト化した。
悲しいことに、カルト化したマスク警察の残滓的な男連中が、女性や子供など反撃してこない人々を狙い、マスクをするよう恫喝する事件が相次いでいるという。
教義変更の大きなポイントは、マスク着用が任意であることが改めて強調されるほか、各種施設での「新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点からマスクを着用し、アルコール消毒へのご協力をお願いします」というアナウンス・貼り紙がなくなったことだ。
JR東海のCMでも、従業員を含めマスクを外した笑顔の人々が登場するようになったし、マスクをしない客を追いかけまわした某百貨店も、シレッとマスク着用の貼り紙と門番を撤去するなど、企業活動もガラリと変わった。
また、これまで、マスクをしない者は、マスクの効果を絶対視する人々から「イヤならその施設へ行くな」「店が決めたルールに従え」「施設管理権があるからガタガタ言うな!」と批判されてきたわけだが、彼らは今度は「マスクをする自由がある!」と絶叫し始めた。
あなた方が3年以上も主張してきた言葉をそのままお返ししたい。施設が決めたルールには従え!
とにかく、この3年4ヵ月、「新型コロナウイルスの専門家」なんてものは世の中に一人もいなかったはずなのに、「感染症の専門家」が「新型コロナウイルスの専門家」としてまつりあげられ、彼らの提言に、ほぼ全国民が従わされたのである。