国民年金保険料の追納制度は、誰でも利用できるわけではありません。過去に、保険料免除、納付猶予、学生納付特例が承認された期間のある人が対象の制度です。
過去に免除等の制度を利用した場合、国民年金保険料を全額納めた場合と比べて、受給できる年金が少なくなってしまいます。そこで、追納制度を利用して後で年金を納付すれば、過去に納付できなかった年金を納めた状態になって、年金の減額を防げるのです。
保険料免除、納付猶予、学生納付特例については、図表1を参考にしてください。
【図表1】
出典:日本年金機構 国民年金保険料の追納制度、国民年金保険料の学生納付特例制度
ただし、申請が承認されて、国民年金保険料の免除期間や猶予期間がある人でないと、追納ができません。単に納付遅れの場合、納付期限から2年以内に納めないと未納扱いとなるため注意してください。
国民年金保険料の納付免除や納付猶予、学生納付特例は「今は納付しなくてもよい」「納付を一定期間は待ちますよ」といった措置です。しかし、追納できる期間は限定されていて、「追納が承認された月の前10年以内」と定められています。
追納を考えているのであれば、早めに納付できるようにしてください。承認された期間のうち、古いものから順に納付していきましょう。
国民年金保険料を追納する場合、免除や納付猶予を受けた期間の翌年度から3年度目以降に保険料を追納すると加算額も合わせて納めなくてはいけません。加算額は、承認を受けた当時の保険料額に対し、経過期間に応じた額がプラスされたものです。
令和4年度中に追納する際の追納保険料額は図表2を参考にしてください。
【図表2】
出典:日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
追納可能月数と金額の確認方法国民年金保険料の未納期間・免除・納付猶予・学生納付特例制度の適用期間・追納可能な月数や金額は「ねんきんネット」から確認できます。ねんきんネットにアクセスして、以下の手順にて確認してください。
1.ねんきんネットにアクセスしたら、トップページの「年金記録を確認する」を選択
2.「国民年金保険料の納付・後払い(追納)が可能な月数と金額を確認する」を選択
3.国民年金保険料の月別納付状況、追納が可能な月数や金額が表示
老後の準備のために年金未納分の確認と追納を検討しよう国民年金保険料の追納は「追納が承認された月の前10年以内の免除等期間分」と定められています。また、3年度目以降以上経過したものは加算額がプラスされます。
追納の手続きは、年金事務所に行く、または必要書類を郵送といった方法があります。国民年金保険料の納付免除や猶予を受けた人は、この機会に追納を検討してみましょう。
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 「ねんきんネット」による追納等可能月数と金額の確認
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部